連載コラム きれいなドライブ vol.1 	笑顔の三差路

ドライブはただの移動ではない。人間に与えられたとても幸せな時間だと捉えてみたい。自らの足では体験することのできない移動が可能になる。そこでの喜びも限りない。

多くの人間が移動するとどうしてもそこにはトラブルがある。地球は人間であふれている。
このトラブルも「幸せな時間」を意識するとかなり減ってくるのではないか。今まで交通安全というと、「ルールを守る」ことで動いてきた。
迷惑をかけない、怒られない、減点されない、という強制感のある世界の中にあった。

本当に人間同士が想いやりの心を持ち合えば、ルールはいらない。他人の喜びを考えれば、行動は変わってくる。
ハワイ島にコナという街がある。ホノルルなどがあるオアフ島と比べると人間の数も自動車の数も少ないが、それでも有名なリゾートエリアで、多くの人間が行き交う。
このコナの中心とも言える場所に三差路がある。ここには信号が存在しない。昼夜問わず、絶えず自動車がおり、日本であれば当然信号がある場所だ。しかし、ない。

三方向からこの三差路に来る自動車は、当然のようにそこで一旦停車する。
そして、お互いに譲り合うようにして、順序良く直進したり、曲がったりする。
順番に動くという暗黙の了解の中、アイコンタクトやハンドサインで動く。
そして、必ずそこには笑顔がある。

この三差路を通過したあとは、皆が幸せな気分になれる。当然事故もほとんどない。そして、きれいなドライブがそこから生まれる。

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信号があれば、止まらないで進める可能性もある。
しかし、そこには人間同士の触れ合いは減ってしまう。当然笑顔も減っていく。
冷房で締めきった自動車の中で一人になりやすい。
社会との関係をつい忘れ、自分のことだけを考える傾向を生むこともある。

想いやりの三差路があること。それは地元の誇りなのかもしれない。
そこから生まれるきれいなドライブ。
それこそが、これからの安全を生む新しい動きなのだろう。

profile
西村ヤスロウ

1962年生まれ。広告会社プランナー

著書:
「しぐさの解読 彼女はなぜフグになるのか」
「Are You Yellow Monkey?」
「美人のもと」

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